■他の話とは全く違う設定です。
■神ロ=独(?)という描写があるので、苦手な方は閲覧をお控えください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一緒に行こう。
二人で、世界で一番強い国を作ろう。
お前を苛める奴なんて居ない、誰にも負けない国を。
 
俺は首を振る。
行かない。
行っちゃだめだよ、そのままでいいよ、どうして今のままじゃ駄目なの、お願い、行かないで。
お願いだよ、お願い。
 
手を差し出してくれる彼の前で、俺は決して首を縦には振らずに、ただただ、泣く。
逆光になっている彼の顔は見えない、それでも、彼は少し沈んだ声で「そうか」と小さく、呟いた。
小さな足、踵を返して、彼は走り出す。
 
待って!
待って、待って、行っちゃだめだ、行ったらだめだよ!そっちは危ない、駄目だったら、ねぇ、―――――――――・・・
彼の名前、止めようと叫ぶ名前、出てこない、何だっけ?
何で、何で思いだせないんだ、とめろ、止めなきゃ、早く、彼の名前を呼んで止めなきゃ、思い出せ!
 
小さな後ろ姿、彼は身を翻して、暗闇へと駆けていく。
たす、たす、たす、たす、足音が響く、頭の中に、彼の足音が大きく小さく、だんだん、遠く。
俺は手を伸ばす、足が動かない。沼地に埋まったように、両足は重く、一歩も踏み出す事が出来ない。
 
待って、待って、待って待って待って待って待って、待って!!
お願いだ、お願い、行かないで。
名前が思い出せないんだ、顔も、声も、お願い、戻ってきて、俺を一人にしないで、戻ってきて。
 
声は枯れて、いつしか彼の後姿が見えなくなると同時に、音は出なくなる。
手を伸ばす、身体は動かない。彼の名前も、思い出す事は出来ない。
ぼろぼろぼろぼろ、涙は止めどなく、彼の気配がなくなると同時に、辺りは一瞬に白くなる。
 
待って!!
 
いつもの夢。
俺は、泣きながら、目を覚ます。
 
 
 
 
「フェリシアーノ。オレ今日アントーニオのくそやろーのトコに絵届に行くけど。お前も行くか?」
「んー・・・行かなーい。俺も描きかけの絵あるし、完成させる」
「ふーん。どーでもいーけど、あの絵のモデル誰だ?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
 
しゅこーっと音を立てて働くエスプレッソマシーン。
小さいカップに、俺と兄ちゃんの二人分のコーヒーを入れて、でっかいカップに移し替える。
あったかい、しゅこしゅこ泡立てたフォームミルク。
プレート置いて、上からココアパウダー、にこにこマークの絵を描いて、ハイドーゾ、と兄ちゃんの座ってるテーブルにコトンと置いた。
グラッツェ、笑ってカップに口付ける兄ちゃん。
笑った顔は、自分たちは結構似てると思う。
 
兄ちゃん、俺も自分のカップを持って、シャツ一枚のカッコのまんま、兄の向かいの椅子にかたんと座る。
兄は新聞を見ながら、んー?とこちらを見ずに、俺の淹れたコーヒーのカップをソーサーに置いた。
 
「ちっちゃい頃さー、俺たちってローデリヒさんのお家にいたじゃんね」
「・・・俺はすぐにあのくそばかやろーのトコに行く事になったけどな」
「俺と、よく遊んでくれた男の子の事覚えてる?」
「・・・居たか?そんなの」
 
ぱさりと新聞を置いて、俺とおんなじ色の眉毛を寄せる兄。
予想通りの反応、ふむ、と首を傾げて過去の記憶を手繰りだす兄に、いーよいーよ、と笑って手を振る。
変な事聞いてごめんね、そう言えば、兄は「俺もあんまり昔の事覚えてねーんだよ」と笑う。
あの頃は、みんなみんな、あっちもこっちも、ばたばた忙しくしてたから。
俺たち兄弟はばらばらにされてしまったし、お世話になってたローデリヒさんの家ではいつも誰かが喧嘩してて、怖かったな。
以前同じ事を当時一緒に住んでたフランシス兄ちゃんやアントーニョ兄ちゃんに聞いてみても、答えは同じだった。
 
んー・・・堪忍なぁ、覚えてへんわ。
居たっけ?どんな子?お兄さんとも仲良かった?
 
どうして誰も、覚えてないんだろう。
そんなに印象の薄い子だっただろうか。現に、俺も忘れかけてきてる。
あの子の顔、声、仕草、・・・・・・・名前。
せめて、名前だけでも。そうしたら、俺も何かアクションが起こせるのに。
いつか迎えに来る、その言葉だけを信じて待つ事以外に、俺にも何か。
 
「・・・すみませんね、フェリシアーノ。
 私も覚えていない・・・というよりも、あまり思い出したくないのですよ。あの頃の事は」
 
ローデリヒさんなら。
そう、期待を胸に訪ねた時に、彼は寂しそうにピアノの前でこう言った。
普段は絶対に俺に「すみません」こんな言葉を使う事はないのに。
 
折角訪ねて来て下さったので、ショパンでも。貴方は、小さな頃これを聴かせると泣き止んだものですから。
 
ハイ、と俺も、小さな頃に座っていた、大きな椅子に腰かけて。
綺麗な綺麗な、ピアノの調べ。
大きな家で、右も左もわからない不安な中、心を慰めてくれたのはこのピアノの音色と、あの男の子。
ノクターンから移るのは小犬のワルツ。
泣き止んだ俺は、いつもこの曲で、あの子の手を取って、踊ってた。
 
「昔はこの曲で泣き止んだのに・・・今では、この曲で泣き出すんですね。貴方は」
 
切なそうに笑う彼の顔に、俺はそれ以降、この話題を口にする事は無かった。
 
 
 
 
「行ってらっしゃーい」
「お前、最近寝てないだろ、ちゃんと寝ろよちくしょーが。夜には戻るからな」
「ゆっくりしてきていーってば。アントニオ兄ちゃんによろしくね」
 
起きぬけのカッコのまま、玄関ででっかいでっかいキャンパスを持つ兄を手伝って、笑って手を振って、車を見送る。
少しだけ心配そうな兄ちゃん、見えなくなるまで手を振って、そのあとぽてぽて、裸足のままだった足の裏を軽くはたいて、家に戻る。
アトリエにしてる日当たりのいい部屋は、二階。
とんとんと手すりに手をついて上って扉を開けば、眩しい程に目に入る直射日光と、大好きな油絵の具の匂い。
大きなキャンパスにかかってる白い布。
ばさりと落として出てくるのは、描きかけの、小さな男の子の姿、中途半端な、立ち姿。描きかけというよりも、これ以上、筆が進まない。
顔の無い絵。
思い出せない。顔だけじゃない、声も、表情も、癖も、あんなに、あんなに一緒に居たのに。
大きな椅子に立てかけられてあるのは、一回り小さなキャンパス、描かれているのは、小さな俺。
両手いっぱいの花を持って、笑ってる、あの事一緒に居る頃の俺。描いたのはあの子だ。
上手に描けない、お前はもっと、もっと、ああ、こんな顔じゃない。お前はもっときれいなのに。
何度も何度も描き直して、その度に俺は、そんな事ないよ、上手だよ、と笑って、彼の手を頑張って進めてた。
 
絵も、音楽も、得意ではない。芸術にはうといし、こんなオレが言うのもなんなのだが、それでも、お前はきれいだと思う。
 
青い目をしていただろうか。
いや、パープル?ゴールド?透明な、宝石みたいにきらきらした目をしてた。
髪は金色、きっとこれは合ってる。俺にはない、気高そうなブロンドが羨ましかった。
同じ色の眉、少し、不機嫌そうにしかめられてるのが常になってる、険しい顔。
でも笑うと素顔は可愛らしくて、それを言ったら、彼は少し困ったように赤くなった。
笑った顔の方が、お前は好きか。
そう、真面目な顔をして言うものだから。
頷いて、もっと笑って、そう俺も笑えば、彼は「笑う練習をしてくる」と言って、部屋に閉じこもってしまったっけ。
 
ああ、ほら、覚えてる。
ちゃんとおぼえてるじゃないか、大丈夫。
 
描きかけのキャンパスの前に立って、伸びた前髪を後ろに縛って、パレットを持って筆を取る。
服はいつも、このマントを羽織って、何処かに出かける時は気に入っていた帽子を被ってた。
小さな身体に似合わない、大人びた格好。暇を見つけては本を読んで、知識を詰め込む事に夢中で、常に、一生懸命で。
生き急いでるようにも見える彼は結構せっかちで、のんびりしてる俺とは正反対で、それでも、俺に合わせて、
いつもいつも、俺を楽しませようと、走り回って、空回って。
覚えてる、おぼえてるよ。大丈夫、俺はちゃんと覚えてる。
他の皆が忘れていても、俺は絶対、忘れない。
幼い頃の記憶を手繰り寄せて、必死で糸を繋ぎ合せて、大きなキャンパスに、筆を走らせる。
周りの景色、いつもあの家には花が咲いていた。花の冠の作り方を教えてあげて、そしたら彼は、俺の為に作ってくれた。
嬉しくて皆に見せて回って、彼が真っ赤になって「言うな!」と叫んで追ってきてくれるのも、嬉しかった。
筆は走る。油性の絵の具を乗せて、白いキャンパスに色を付ける。
一緒にいた家、よく遊んだ庭、彼と一緒に踊った曲、読んでもらった本、教えてもらった、沢山の言葉。
彼からもらった、沢山の感情。
生まれて初めて、家族以外で感じた、大切な大切な、あの気持ち。
彼と交わした、大事な約束。
いつか、絶対にお前を―――――――――――――。
 
筆は止まる。
いつもいつも、止まる所は同じ場所。
彼の顔が、彼の顔だけが、思い出せない。
筆は止まる。止まったまま、俺はそこから動けない。
駄目だ、思い出せ、忘れるな、俺まで、あの子の事を忘れるな。
 
どうして誰も覚えてない、どうして思いだせない。どうして、どうして、駄目だ、あの子の事を忘れたら。
俺まで忘れてしまったら。
だって、あの子は、俺を、こんな俺を、いつか、迎えに来てくれるって。俺が、俺まで、忘れたら、
視界は回る。くるくる回る。意識はそのまま、過去に戻る。引きもどされる。
 
 
 
 
一緒に行こう、一緒に理想の国を作るんだ。
 
俺は首を振る。
まただ、また、この夢だ。
今日こそ彼を止めよう、止めなきゃ。
どうして、今のままじゃいけないの、そのままの君が好きだよ。行かないで。
俺は泣き出す。いつもと同じ。ああ、駄目だ、これではまた、置いていかれてしまう。
 
全部終わったら。迎えにくる、いいか、絶対だ、絶対だぞ。
忘れないでくれ。オレを、忘れないで。また会いに来る、約束だ。
何百年たっても、お前が世界で一番大好きだ。
 
彼は笑う。逆光で、どんな顔をしているのかは見えない。
俺の手を払って、踵を返す。暗い、暗い、真っ暗な中へ、小さな身体を翻す。
いつもと同じ、だってこれは、過去にあった現実だ。
俺は泣き出して、手を伸ばす。怖くなる。行かないで、行かないで。
走り出す、走れない、身体は固まったまま、動かない。涙だけがぽろぽろ落ちる。まるで彼の記憶だけが落ちるように。
 
忘れてしまいそうなんだ、大人になった俺は、君を忘れてしまいそうなんだ。
約束したのに、絶対に忘れないって、約束したのに。
名前を思い出せないんだ。君の顔も、声も、忘れたくなんかないのに、思い出せなくなってきてるんだ。
約束は、いつ果たされるの、俺はいつまで待てばいいの、忘れちゃうよ、早く来てよ、俺が君を忘れる前に。
 
手を伸ばす。返事はない。暗闇の中、ただただ、彼が遠ざかる足音のみが、辺りに響く。
君を忘れたくない。俺を忘れないで。名前を呼んで、俺の名前を呼んで。
じゃないと忘れちゃうよ、名前を教えてくれないのならば、せめて俺の名前を呼んで。
お願い、忘れないで、一人にしないで、迎えに来て。
俺を忘れないで。
一人にしないで。
名前を呼んで。
 
 
「フェリシアーノ!」
 
 
ばちん!
音がなるくらいの勢いで、まぶたが開いた。
わっと入ってくる陽の光、鼻腔をつくのは油絵の具の匂い、まわらない頭で、ああ、ここ、アトリエだ、思った後に、目の前にある青い瞳と目を合わせる。
 
「・・・ルート」
「・・・焦らせないでくれ、死んでるのかと」
 
ちゃお、と力なく手を振れば、いつ来たんだか、むきむきのルートヴィヒが、はぁっと大きく、溜息をつく。
随分視界が低い、そう思ってたら、どうやら倒れていたらしい。
後頭部にはルートのでっかい手、起き上がろうと上半身を起こせば、いいから寝てろと押しつけられる。
 
「・・・どしたの、いつ来たの?」
「・・・お前の兄から連絡が来たんだ。最近様子がおかしいから、様子を見てくれと」
「・・・・・・兄ちゃんてば」
 
なにも、ルートに言う事。・・・・・・・・・・兄ちゃん、ルートの事大嫌いな筈なのに。
申し訳なさと同時に生まれる、何だかほわっとあったかい気持ち、ルートに「家族に心配かけさせるな」と窘められて、ごめんと素直に、頭を下げた。
 
「ごめんね、最近夢見悪くて、寝れてなくて・・・ちょっと休んだら治るから、戻って大丈夫だよ」
「薄情な奴だな。体調悪いなら気を使わずにさっさと寝ろ」
 
俺なら適当に様子見たら、帰るから。
そう言いながら立ちあがって、さんさん入る陽の光に目を顰めて、カーテンに手をかけるルート。
適当に、そう言いながらも、きっと彼は兄ちゃんが帰ってくるまで、ここに居る。言い方はぶっきらぼうだけど、彼の性格はよく知ってる。
いい奴だと思う。少し暗くなった部屋に、ありがと、をう笑って目を瞑ろうと思った時に、描きかけのキャンパスに手を伸ばした彼が見えた。
幼い頃の初恋の人、顔のない絵。
ルートの青い目が丸くなる。
ああ、顔だけない絵だから、吃驚したかな。のっぺらぼうみたいでしょ。どうしても、思い出せなくて。
呟いて、彼と瞳を合わす。
 
青い目をしていただろうか。
いや、パープル?ゴールド?透明な、宝石みたいにきらきらした目。
 
陽の光に照らされる瞳は色んな色彩を持って、きらきら光る。軽いデジャヴ。あれ?
身体を起こそうとしたら、彼は俺の傍に座って、「寝ろ」と掌で瞳を覆った。
はぁい、と素直に返事して、いつもみたいにくすくす笑って、掌の下で瞳を閉じる。
寝ても、どうせすぐに起きてしまう、そう思いながら、静かに呼吸を整えて。
あったかくて、安心する、でっかい手。夢の続きを見てしまうだろうか。そう思っていたら、頭の上からルートの低い声が聞こえた。
 
「どんな夢見てたんだ」
「・・・初恋の人の夢。大事な約束をしたのに、俺、その子の事を覚えてなくて」
「・・・そうか」
「名前が、どうしても思い出せなくて。忘れないって、約束したのに」
 
ゆらゆらする意識の中、目を瞑って小さく話す。
ルートは何も言わずに、ただ、そうか、と頷いて、俺の頭を小さく梳く。
昔、俺が一人で泣いてた時、あの子もこうして優しく頭を撫でてくれた気がする。
慰めの言葉を知らない不器用な子、何と声をかけていいのか分からなさそうに、それでも、俺が泣き止むまで、ずっと、ずっと。
優しい手だった。ひどく優しい人だった。
不器用で、一生懸命で、一番に、俺の事を考えてくれてた、大切な、大切な人だった。
どうして忘れてしまったんだろう。あんなに大事な人の顔を、名前を。
待っていてくれ。俺を忘れないで、彼はそう言ったのに。
幼い頃の大事な約束、俺は、待っていると言った言葉を、守れているんだろうか。
覚えていないのに。顔も、声も、君の名も。
ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
 
涙が溢れる。泣くな、ルートが困るだろ、それでも涙腺は言う事を聞かず、勝手に涙は音もなく流れる。
 
「・・・ごめ・・・、ごめん、ルート、ごめん、俺、」
「・・・いい、謝る事じゃない。寝ろ、ここに居るから」
 
あったかくて安心する、低い声、大きな手。
いつも周りに甘えてばかりの俺は、こんな時も友人に甘えてばっかりで。
 
暗い中で意識はたゆたう、ふわふわと落ちる意識、もう一度、寝ろ、と呟かれて、それでゆっくりと目を瞑る。
聞こえるのは聞いた事のあるメロディ、フレーズ。
誰だろう、耳を澄ませたら、ずっと思いだせなかった初恋のあの子が、俺の傍で手を握って、歌ってた。
何処の国の言葉かはわからない、それでも綺麗で、耳に残る、残ってる、ずっと昔に聞いた歌。
泣いてる俺が見える。
彼は俺の傍で、静かに歌う。小さな手で俺の手を握って、時々少し音を外しながら、一生懸命、ゆっくり、静かに。
ああ、この歌。大好きだった。とても、とても好きだった。涙は止まる。壊れたと思った涙腺は静かに止まって、小さな俺も一緒に、同時に泣き止む。
 
赤い目を擦る俺、歌っている彼に笑いかけて、有難うとお礼を言う。
照れたように笑う彼、もう一度歌って欲しいとお願いして、顔が見たくて、名前を呼びたくて、それでも身体は動かない。
 
そのままでとでもいうように、再度笑って、歌う、彼。
柔らかい声、顔、握られた手の暖かさ、ああ、この子だ。俺の大好きな、この人だ。
目を瞑る。意識が、ふわふわ落ちていく。
ふわふわ、ふわふわ、これはいつもの夢じゃない。彼が去っていく夢じゃない。彼が傍に居てくれる、幸福な夢。
俺は言う。意識が消える間際に、小さく、小さく、彼に向って、呼びかける。
ずっと、眠れてなかったんだ。君に会いたくて、君の名前を、呼びたくて。
少し眠ったらすぐに目を覚ますから、起きてもどうか、そのままで。
 
小さく握られる掌、梳かれる髪の毛、額に落とされるキス。
最後に意識を飛ばす前に、ずっとずっと聞きたかった、彼の言葉が聞こえたような気がした。
 
 
迎えに来たぞ。
約束は果たされる。俺は、お前を忘れない。
ゆっくりお休み。大事な人。君が悪夢にうなされる事のないように。
 
 
おやすみ、おやすみ、良い夢を。
さよなら。どうか君はそのままで。