や、やべぇ、キレてる、まじでキレてる。
そんなに怒る所か?そりゃぁカッコ良くてイカしたオレ様がこんな女装してるなんて、ちょっと弟としちゃアレかもしれねーけどよ・・・。
遊びだろ、遊び、お前も笑ってくれりゃそれでいーだろ!
 
タイの両端を、びんっ!と引っ張って唇を舐める弟に、いつスイッチを入れちまったんだと頭をめぐらす。
逃げたい、でも、スイッチの入った状態の弟に抵抗をしてもますます火に油を注ぐ結果になるって事なんて、よく知ってる。
パワーと体力では勝てない、こいつとやり合うには頭脳戦しかない。
まずは、この煮えてる頭を何とかして、落ちつかせる。
カチカチ、チーン、と頭をフル回転させて、取り合えずナース服のまんまどっかと胡坐をかいて、「ヤるなら、シャワーを浴びさせてくれ」と、
青い瞳を真っ直ぐに見て、オレは言った。
 
「いらない。そのままでいい」
「オレ様がイヤなんだよ、お前だって飛行機で来たばっかだろ」
「だったら貴方が綺麗にしてくれ。看護婦らしく」
「ま、待て、待て、待て待て待て!!」
 
のっしと上から圧し掛かかられて、畜生、選択肢ミスった、と心の中で舌打ちする。
取り合えず時間稼ぎ、シャワーを浴びてる間に色々考えようと思ってたのに、そんでもって、あわよくば放置プレイのまま
こいつのスイッチが静かに切れるのを待ってやろうと。
左腕一本でオレの両手を捻りあげるむきむき、右手に持ったネクタイで縛りあげられそうになって、慌てて唾を飛ばして叫ぶ。
し、縛られたら最後だ、逃げられねぇ、いや縛られなくても逃げられねぇけど、こんなカッコで緊縛プレイなんて、絶対にイヤだ!!
待て、ストップ、おい!
声が聞こえないとでもいうように華麗にスルーする弟は、慣れた手つきでオレ様の両手首をタイでくるくると縛りあげる。
結び目が完璧にならないうちにじたばたもがいて、渾身の力で、んがぁっ!とそれを解くと、ぜぇぜぇと上半身を起こしてびしぃ、と
ルツに向かって人差し指を突きつけた。
 
「い、いいか、オレは看護士だ、お前は患者!一般の病人が看護士を縛ったりする設定はおかしい、却下だ!」
「・・・。患者?俺が?」
「そ、そうだ、病院ではオレ様の言う事を聞け、治療してやんねーぞ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
我ながら、逃げるにしてももっとまともな事を言えただろう、言った後に激しく後悔はしたものの、言った言葉は取り消せない。
まずは、この男から主導権を握り直さなければ。
ぜいぜい、指を突きつけたまま、ふむと考える弟を上から見下ろす。
先ほど捻りあげられた両腕は早くも痛みを訴えていて、弟の余裕の無さを肌で感じる。
無理やりされるよりも、まだこっちがしてやった方が身体のダメージは少ない筈だ。
しばし無言で何かを考えた後に、弟は「いいだろう」とオールバックの髪を掻き混ぜて、自分のシャツのボタンを外して、笑った。
 
「イメージプレイか、珍しいじゃないか。兄さんがそんな事を言うだなんて」
「は、はは、いいだろ、たまには」
 
・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえず、機嫌は直ったようだ。
にぃ、と笑う弟の前で、オレも、だいぶひきつってはいるものの、何とか渇いた笑いを上げて、さてこれからどうしようと必死で頭を巡らせる。
ベッドの上には、白衣にナースキャップのオレ様と、血の繋がった体格のいい兄弟。
仲のいい悪友同志で、悪ふざけしながら楽しく飲んでただけなのに。
ああ、心の汗がしょっぺぇなあ。
そんな事を思いながら、弟の胸元を肌蹴させて、首からぶら下げてる聴診器に手を掛けた。
 
 
 
 
「っひ、あ、」
「・・・看護師なのだろう、きちんと診察してくれ」
「か、看護師は診察はしねぇ、よ!」
 
ワンピースタイプの白衣のボタンを外されて、でっかい手が脇腹に入ってくる。
擦りあげられる背中、熱くて硬い掌に身体が跳ねる。
オレの手は、弟のベルトのバックルを外して下着の中へ。
早くも誇立してるそれを握って、思わず、ごくんと喉が鳴った。
 
「は・・・早いじゃねーか、やらしい奴め」
「・・・貴方のそんな姿を見て、こうならない男などいるものか」
「・・・お前がおかしーんだよ、絶対」
 
だったらさっきまで一緒に居た悪友二人は一体どうなる。思いながら、ぎゅ、と握って、弟の性器を擦りあげる。
弟は少しだけ低く呻くと、そのままオレの左の乳首にがじりと噛みついた。
痛ぇ、叫んで、ばしんと頭を叩く。
それでもルツの噛む力は変わらず、きりきりと犬歯でオレのかわいー左チクビを引っ張る。
い、痛、本気で、叩いてた頭、髪の毛の中に手を突っ込んで同じように引っ張ったら、ルツは少し笑いながら「痛い」とオレを見上げた。
 
「乱暴な看護婦だな」
「おっ、お前もちゃんと患者らしくしろ!何処の世界に看護師の乳首に噛みつく患者がいるんだ、訴えられんぞ」
「患者らしくとは、何をしろと」
「え、えーと、えーと・・・」
 
まずは、大人しくしてろ。
言われたとおりに動きを止める弟に、お、と思って、首に掛けてる聴診器を掴む。
昔取った杵柄、一応生まれは修道院。
騎士になる前は病院だったんだと言っても、今の知り合いには信じてなんてもらえなさそーだけど。
ついでにあの時代にはこんな優れた聴診器なんてモンはなかったけど。
弟の膝の上に乗っかりながら、ぺろりと着ているシャツを捲って銀色の聴診器の先を胸に当てたら、ルツは冷たさにびくっと背中を跳ねさせた。
お?
によっと少し、頬が緩む。
面白れーじゃねーか、聴診器をかたっぽだけ耳に当てながら、とくとくと鳴る心臓の音を聞いて、「良好ですね」とか言って笑う。
上を見れば、特に面白くもなさそーな、ドイツ人の顔。
高い鼻にぺたりと聴診器をくっつけて、ケセセ、と笑ったら、弟は「やめんか」と言って聴診器を奪い取った。
 
「これで、心臓の音が聞けるのか?」
「オモチャかと思ってたけど、結構本格的だぜ。さすが変態フランシス、こだわってんじゃねーか」
「どれ」
「冷てぇッ!」
 
今度は逆に、ぺたりと薄い胸にくっつけられるステンレスの銀色。
多少ルツの体温が移ってるかと思ったらそれは大分冷たくて、突然胸にひっつけられた聴診器に、オレは悲鳴を上げてベッドの端へ逃げる。
ほう。流石は兄弟、オレと同じような反応をした弟は、面白そうに聴診器を持ったまま、笑って間合いを詰めてくる。
 
いい事を考えた、弟はそう言って笑って、聴診器を首にひっかけて、結局はオレの腕をぐるぐるに縛った。
 
 
 
 
へ、へ、変態、変態ッ!
 
きぃっと叫んで、叫んだ所で何も変わりはしないけど、コレが叫ばずにいられるか。
足をぐっとM字に開かされて、その後、膝と肘をタイとタオルで固定される。
じたばたと暴れて腕を動かせば繋がってる膝も一緒に動いて、こいつに股を開くだけだ。
下着はボクサーをつけてたけど、ここで敢えて言う必要もあるまい、当然すぐに脱がされた。
下半身素っ裸の状態でのM字開脚、しかも衣装はナースのまんま。
男にとって、兄として、コレがどんなに屈辱か。目の前には楽しそうに笑って聴診器を構える、ドSの弟。
せめてもの抵抗で足を閉じて、両手で局部を抑えて隠してたら、それも強い馬鹿力で、すんなりぺいっと外された。
 
「いい格好だ、もう少し足を広げてくれないか」
「せ、せめてこの服は脱がせろ、あと電気消せ!お前にコスプレ属性があるなんて聞いてねーぞ!」
「俺も知らなかった。貴方と一緒に居ると、色んな自分が発見出来て面白い」
「嬉しくねーよ!」
 
M字開脚のまんま叫べば、ルツは更に足を広げようとオレの内股に手を掛ける。
ぐ、と掴まれる足の付け根、剥き出しの性器に少し指が触れて、びくっと背中が小さく跳ねる。
ナースキャップをつけたまんまの頭に軽く唇を落とされて、はぁ、と軽く、息が上がった。
こ、興奮、するわけねーだろ、こんな怪しげなコスチュームプレイで。
ホントはイメージプレイのと称した遊びの合間に逃げ出そうと思ってたんだ、一体、なんでこんな事に。
左耳に舌を突っ込まれて、熱い舌で耳の穴を責められる。ぞくぞく、ぞくぞく這いあがってくる背中の鳥肌、その間に弟の指はオレの後孔に。
勝手に濡れる訳なんてないから、ルツは一度オレの口に指を突っ込んで唾液を絡めてから、爪の先だけゆっくりと中に埋めてきた。
 
「っん、」
「・・・熱い」
「あ、んま、ムリすんな、アッ!」
「痛い方がいいだろう?」
 
あ、少し、入ってきた、そう思った途端に、ずるっと一気に根元まで刺さる中指。
中で鉤爪型に折り曲げられて、引っ掻き廻すみたいに動きまわる。
ちょっとは、焦らせよ、バカ!
急激に与えられる異物感に、全身からぶわっと鳥肌が立つ。
ふぁ、喉を反らせて声を上げたら、弟は楽しそうに笑って指を増やした。
 
「っあ、あ!キツい、ルッ・・・!」
「はは、兄さん。透明なのが白衣についているぞ」
「ヒ、あっ!」
 
座ったまんまの状態で、足を大きく開くように固定されたまんま、裸の下半身だけ弄られる。
中心には弟の太くて長い指が二本刺さってて、奥まで突っ込まれたり、抜かれたり。
滑りの足りないそれは突っ込む時には少し痛くて、入口が少しひりひりする。
中でばらばらに動かされた時に軽く前立腺に指が触れて、それで、ぐんっと性器が育った。
一度、イきたい。
はぁっと息を漏らして弟に頼めば、弟は意地悪そうに指を抜く。
中に入ってる指はゆっくりと焦らすような動きに変わり、やだ、と頭を振れば、ルツは首に掛けてる聴診器を耳に当てて、
ステンレスの部分を右手で持って、ぺたりとそれをオレの性器に押し付けた。
びくんっ!
冷たいステンレスの、金属面。
熱をもった性器に触れられる金属は吃驚するくらいに冷たくて、ひぁっと悲鳴を上げて身体は跳ねる。
ルツの右手の指はオレの中に、左手は、聴診器に。
で、聴診器はオレの性器に、ふ、ふざけんな、このヘンタイ、羞恥でかかかーっと顔に血が上ったと同時に、中にある前立腺を
ぐりっと刺激されて、仰け反った。
 
「・・・すごいぞ、兄さん。音が。よく聞こえる」
「バ、カやろッ、何、何して、っあ、あ!」
「すごいな・・・こっちも聞こえるかな」
「ヤぁ、だぁあ!指、増やすな、あッ!」
 
一度ずるっと抜かれてから、質量を増して突っ込まれる太い指、何本入ってるのかなんてわからない、
尻の穴に聴診器を当てて、変態趣味の弟は楽しそうに結合部の音を聞く。
バ、バカじゃねーの、こいつ、はぁはぁ言いながら、心の中でせめてもの悪態をついて、開いた足をばたばたさせた。
広げさせられてる足は固定なんかされなくても全開で、タイトのミニスカートが腰らへんでわだかまる。
滲んでくる腸液でだんだんと突っ込まれてる指の動きはスムーズになって、それでも全然滑らないけど、
痛いセックスに慣れてる身体は簡単に行為に没頭して、尻の穴での快感を追い始める。
前、弄りてぇ、捲り上げられてるスカートの下から見える、上を向いた自分の性器。
肘と膝が繋がれてるから、自分で弄るには更に足を開かなければならなくて。
こいつの指を何本か飲み込んだまんま、オレは両手で自分の性器をぐっと握った。
「おい」と舌打ちする弟、片手で両手首を掴まれて、そのままぐいーと上に上げられる。
 
「な、んだよっ、離せ、ぁ、あ!」
「お仕置きだと言ってるだろう、自分で弄るのは仕置きにならない」
「あ、ヤだ、ちゃんと、」
「二度とこんな格好なんかするかという気にさせないと、意味が無い」
「もうなってんよ!おい、頼む、ルツ、ッ!」
 
両手を固定されたまま、じゅぶじゅぶと身体の中を行ったり来たりする指に、ぎゅっと瞳を閉じて、荒い呼吸のまま耐える。
何度も身体を重ねてる自分たちは、お互いが気持よくなれるポイントをよく知ってて、さっきからこいつはそこをわざと外して、責め立てる。
ねちっこい前戯、オレ様は何よりも、こいつのこーいう所が嫌いなんだ。
好き勝手に喘がされて、体力を奪われて、ようやく突っ込まれたら、それからも異常に一回が長い。
今日はおかしな道具を持ち出さないだけまだいいが、普段ならこれにプラスリアルに身体の痛みも伴って、
終わった後にはいつも身体はぼろぼろだ。
今日は今日でこんなカッコのまま屈辱的な責められ方をして、心理的にはぼろぼろだけど。
つぅか、もう、マジで早く、イかせてくれよ、白衣から顔を出してる性器は天を向いたままとろとろと透明な蜜を垂らして、
先ほどから一度も触れてはもらえない。
後ろだけでイくなんて高等技術、お兄様は持ってねぇんだ、「ルツ、ルツ」とはぁはぁ、懇願するように名前を呼んだら、
弟はじぃっとボトムのジッパーを下ろして、オレの身体を横向きに倒すと、頭を引っ掴んで無理やり口の中に突っ込んだ。
 
んぐ!
突然塞がれる気道、でっかいのが喉元に突き刺さって、生理的にえずく喉に、身体はバタバタと暴れ出す。
弟はオレの銀色の髪を引っ掴んだまま一度頭を引き剥がすと、「歯を立てないでくれ」と忠告してから、再度股の間に押し付けた。
 
「んん、む、んんんんー!」
「ほら、綺麗にしてくれるんだろう?」
「んむ、っぷは、ド変態!」
「何とでも」
「んぐ、んんむ、んー!!」
 
はぁっ、と息を荒くして、それでも笑う弟、熱い息が上から降ってくる。
足と手を固定されたまんま、身体の自由が利かない状態でのイマラチオ。
喉の奥に突っ込まれたまま動かされるのが辛くて、頭と頬を固定されたままだから逃げられなくて、生理的な涙がぼろぼろ出る。
ナースキャップを被ったままの頭をぶるぶる振ったら、ルツは愛しそうに、オレの涙を掬いあげた。
さっき弄っていた指は再度柔らかくなってる尻の穴に、ぬるっと入ってくるそれにビクっと全身が反りかえる。
一本、二本、徐々に指は増やされて、挿入の準備をしているのか、ぐぐぐと入口をゆっくり広げながら。
何度か前立腺を掠められて、一度も達してない身体が、びくりと勝手に期待する。
三本目の指が入ってきた時に、それが根元まで入った時に、足りない、そう思って、弟の性器を咥えたまま、
上手に発音出来ないドイツ語で名前を呼んだ。
 
「んぅ、ル、ツ、ルツ、」
「・・・中がドロドロだ、兄さん」
「っん、あ!あぅ、あ、イヤだ、あ、ルツッ、ルツ!」
 
もう、口で奉仕なんて出来る状態ではない、始まる指での出挿に、起毛筋が反応して、ぶわっと全身に鳥肌が立つ。
ずちゅずちゅ、聞こえるのは後ろの穴、前立腺を引っ掻くようにして動きまわる指に、オレは泣きながら悲鳴を上げる。
 
「ヤ、ヤだ、ルツッ!あ、い、挿れ、」
「・・・・・・折角のイメージプレイだ、あの台詞を言ってくれないか」
「あ、あっ、な、何、なぁ、ルツ、挿れて、ルツッ・・・!」
「兄さんが持ってたビデオにあったじゃないか、看護婦の服を来た女優が言う台詞が」
「・・・?・・・あっ、あ!あぅ、て、てめ、本気で・・・!」
「言ってくれないのであれば、今日はこのまま後ろを開発させて貰う」
「ひぁ、あ!ヤだ、やだぁ!イきた、あ、ルツぅ!」
「ほら」
 
いいタイミングで前立腺を掠められて、ついでに、前の尿道も弄られて。
イきそうでイけない、こいつお得意のパターンだ、何をオレに言わせたいのかがわかって、怒りと羞恥で顔がかかーっと赤くなる。
本気でこいつ、変態で、サドで、性格悪い!
肉体的にもサディストだけど、精神的にも、プライドの高いオレ様をこうまで屈辱的に扱ってくれるとは。
だいたい今のカッコからしてもう最悪だ、ナースの白衣のまんま足を開かされて顔に性器をなすりつけれられながら、
尻の穴にぶっとい指を突っ込まれてる。
これ以上、もう、どうでもいいと思って、とにかく早く奥に突っ込んで欲しくて、イきたくて。
 
ぐりぐりと尿道を刺激されて尻の穴を広げられた時に、「お注射してください」、消え去りそうな声で泣いたら、弟は満足そうに指を抜いて、
オレの足をぐぅっと広げた。
 
 
 
 
「ヒぁ、あっ、あ、あ、ルツッ、ルツ、ルツぅ!」
「っ、これに懲りたら、二度とこんな格好をして外を歩くんじゃないぞ、いいか!」
「あ、わかった、ぁ、わかったから、頼む、もっと、奥・・・!」
 
ぐぐっと入ってくる弟の性器、慣らされていた後孔は一気に根元まで埋められる衝撃にも耐えて、すぐに中での快感を追い始める。
相変わらず、両手の拘束は外して貰えないけど、ぎちぎちに身動き出来ない様ないつもの縛りよりもマシだ。
背中に手は廻せないから、せめてもの抵抗でがんがんと動くこいつの腰に爪を立てる。
腰の下には丸めたピロー、正常位で高く上がった腰は、目を開けば銀色の毛の奥で、こいつが出たり入ったりしてるのがよく見える。
内臓を掻き廻されてるみたいな感触、同時に性器も扱き上げられて、奥を突かれるたびに、首を振ってたら、そのうち、
ピンで留めてたナースキャップがぱさりと落ちた。
 
「ルッ、ツ、ぁ、い、きそう、イきそう、オレ、」
「も、う少し、なぁ、自分で弄って見せてくれないか、ここ」
「ん、い、痛ァ、っあ、あ!」
「可愛い、兄さん」
 
性器を弄ってた手を一瞬話して、べたべたの手のまま、ルツはオレの右手を乳首に持って行って、ぎゅぅっと捻る。
反対も、と促されて、同じように引っ張ったら、ぞくんと背中が大きく震えた。
結局脱がせてもらえなかったナース服、ボタンを引きちぎられて肌蹴られた胸、自分で飾りを弄りながら、
下半身には弟の性器突っ込まれて、扱かれて。
一体何処に集中していいのかわからなくて、とにかく何処も気持ち良くて、自分がどんな情けない声を上げているのかなんて知らないまま、
涙声でこいつの名前を必死に叫ぶ。
イきた、イく、あ、出る、いく!
 
泣きながら身体を大きく震わせたら、頭の中が真っ白に弾けて、飛んだ。
そっから先は、覚えてない。
多分、いつもの事だけど崩れるように意識を飛ばして、その後また好き勝手にヤられまくったんだと思う。
朝起きたら、「飛んだ後の兄さんはとても素敵だ」と、うっとりと弟に言われたから。
 
そんな訳で、宣言だ。
オレ様、二度と女装はしねぇ。
 
 
 
 
「・・・つー訳で、えっらい目にあったんだぜ、流石にやりすぎたかなー」
 
ちぇっちぇーと口を尖らせながら、懲りずに悪友の会inフランツ家で、オレ様はビールグラスを煽ってぶーたれる。
そばで聞いてた悪友二人はニヨニヨ、「どーもごちそうさん」と笑って、大きなグラスにワインを注いだ。
 
「親分もあの後大変だったわ〜、ロヴィとフェリちゃんにトマトぶつけられるわ、二度と飲まんっていう血判状書かされそーになるわ・・・」
「お兄さんなんてマシューとアーサーからのダブルアタックよ、見てよこの自慢の胸毛。所どころハゲちゃって、もう、一回全部剃ろーかしら・・・」
「ケツ毛も含めて永久脱毛する事勧めるぜ」
「ケツ毛!?」
 
ぶはっとアントンがワインを噴いて、そのあとげらげら笑い出す。
 
「フラン、ケツ毛生えとんの?見して見して!」
「イヤー、広げないと見えないけどいい?」
「あはははははは!嫌や!」
「どっちよ!」
 
相変わらずのやりとりに、オレ様もげらげら床を叩きながら大笑い、正直それぞれの弟はマジに怖いけど、
やっぱりこいつらと飲むのは面白れーなぁ。
オレ様も混ぜろ、と参加して、フランツに「また、バレたら怖いんじゃない?」と笑われて。
 
「バレなきゃいーんだよ、バレなきゃ」
 
次は絶対に、あのサド弟にバレずに、面白れー事、やってやる。
でかく笑ってそう言ったら、アントンも「そー言っとるうちは、バレるんや」と同じように笑った。