■本番はありませんが、リバ要素含みます。ちょっとでもアルが受けっぽいのがNGな方は閉じてくださいぃ
 
 
 
 
 
 
 
 
実に信じがたい事だが、信じなければならない事実というものは、必ずある。
例えば俺の友人である異星から来た友人であるとか、今はフェロモンむんむんのいやらしいお髭さんが、
昔は天使みたいに可愛らしかった事とか、いつだったか、エイプリルフールの日に元兄、アーサーの手料理が奇跡的に成功した事とか。
信じられるか、そう思っても、事実を突きつけられては信じる他、ない。
 
そうそう、アーサー。
元兄で、元親で、元仲間で、現恋人。正式名称はザ・ユナイテッドキングダム・オブ・グレートブリテン・アンド・ノーザンアイランド・・・
長い、長いよ、この名前。早口言葉じゃないんだから、絶対改名した方がいいと思う。
個人名は、アーサー。アーサー・カークランド。
世界のお色気担当からその称号を譲り受け、キスの上手な国として有名な、名実共に世界で一番エロい国。
彼とこういった関係になる前にその華々しい噂は耳にしていたけど、その度に歯噛みしてその度に喧嘩して、
「お前には関係ねーだろ!」とキレられて、キレて、わぁわぁ泣かれて、・・・・まぁ、それはいいや。また今度。
 
とにかく、彼と初めてベッドインした時は、あまりにそのエロエロしい技の数々に、正直気持ちと身体がついていかなかった。
正直に申し上げよう、ちょっと引いた。
行為に慣れきってすぐにとろっと溶ける身体から、巧みに動く、よく廻る舌。手。
慣れてる癖に真っ赤な顔して泣き出す表情、狙ってるかのようにいい角度で開く、足、とか。よりも。
 
何よりも恐るべきは、あの声だ。
 
鼻にかかったような、甘えた、高い声。アルぅ、泣きながらしがみつかれた時の、脳髄と下半身に響く、あのエロ声ったらなかった。
 
うわっ、ちょっと。
まさか、いつも何かにつけて「ばっかじゃねぇの」なんて斜に構えて、憎まれ口しか叩かない彼が。
・・・アル、アル。いく、好き、
ちょっと、ちょっとちょっと、待ってくれよ。
どこもかしこも痩せっぽちで固くって、正直同じ同性の身体に勃つ事は出来るのかというしょうもない不安は、その時に一瞬で掻き消えた。
 
全身が性感帯とでも言うような、何処を触っても敏感な身体は何をしても喜んでくれたし、その姿は充分俺を満足させてくれた。
想像よりも、ずっとずっと興奮した。
何度かお相手になってくれたガールフレンドだって、あんな声出さない。
あんな、泣いてるみたいな、助けを求めるみたいな悲鳴じみた嬌声。
たすけて。
痩せた細い身体をぎゅぅぅっと抱きしめて、薄いゴム越しに射精をした時。
自分には皆無だと思っていた加護欲がぶわっと沸いて、信じられないくらいの幸福感に満たされた。
 
 
で、だ。
話を戻そう。こんな、彼との初体験なんて、べっつに誰も興味はないだろうし。
何の話だっけ?アーサー、ああ、そうそう、世の中には信じられないけれども信じなくてはならない事実があるって事だ。
別に信じたくない事では、ないんだけども。彼には心外だろうけど、全く、本当に驚いた。
 
結論だけ、簡潔に言おう。
辛くも世界のポルノ大国、又の名をオナニー大国。
 
 
何と彼は、童貞らしい。
 
 
プラス付け加えて言うのであれば、最近は熱っぽいグリーンの瞳をうるうるさせて、
俺の尻を狙っているという、恐るべき事実がある事も明記しておこう。
オー・マイ・ゴッド。勘弁してくれ。
 
 
 
 
 
 
「スッ、トーーーッップ!!ストップ!ウェイト、アーサー!!!」
「・・・あんだよ」
「何だよじゃないだろ!今、俺の大事なヴァージンホールに手を付けただろ!」
「て、手なんてつけてない!舌だ!」
「余計悪いよ!」
 
バカアーサー!と喚いて、俺はシャツ一枚で足の間に埋まっている恋人の頭をべりぃっと剥がす。
んぁ、と粘っこい唾液をとろっと口の端から垂らして見上げる恋人は、それは反則だろうという仕草でべろっと上唇を舐める。
この人のエロさというのは、潔癖そうな顔をして、やる事は随分と下品な所にあると思う。
ぱしん、と髪を引っ掴んでいる俺の手を払うと、口に唾液を溜めて、わざと音を立てるようにじゅるっと性器に吸い付く。
時折、べろっと舌を出して、見せ付けるように舐め上げて。
グリーンの瞳で、俺の瞳を見つめながら。
ぐっ、と怯む、ちゅくちゅく言いながら、自分の性器を頬張るは愛しい恋人。
興奮、しない訳がない。思わずぎゅっと目を瞑ってぱさぱさの金髪を掻き混ぜたら、
彼は少し俺の足を両手で開いて、先ほどと同じように奥の方の場所に、ぺたっとゆっくり、舌を這わせた。
 
「っわ!」
 
びくっ!
ぞわっとした感覚に身体が跳ねて、もう一度叫ぶ。アーァサー!!
腹筋を使ってぐわっと身体を起こして、今度こそ彼の体を引き剥がす。
不満そうに口を尖らす彼は、口のまわりをべたべたにして、なんだよ、と小さく呟いた。
 
「あのね・・・何度も言うけど、俺はそっち側に廻るつもりはないぞ、いくら愛しい君の為でも」
「いーだろ、なあ」
「しかも君、やった事ないんだろ?なおさら激烈にお断りだよ、絶対怪我する。お互いに」
「お互い童貞、処女同士、いいだろ!」
「よくないよ!」
 
ぺっちん!とさして広くも無い額に、湿った掌でぴしぴし叩く。
痛ぇよ、ばかぁ!いい音の鳴った剥き出しの額からはしゅぅっと軽い煙が出てる。
何が、童貞、処女同士だ。後生大事に取っといてる訳じゃなし、そんな機会は生きてるうちでは一生経験しなくて結構。
イコール、そんな俺と一緒に居るって事は、彼は一生童貞って事だ。
あはははは。あれ、でもそれはちょっと可哀想かも。まぁいいか。
 
愛してるぞ、と誤魔化すように先ほど叩いたでこっぱちにちゅっとキスを落として、
軽い身体を持ち上げてベッドに招く。
もはや意味を持たないカッターシャツを取っ払って全裸にさせてから、先ほどしてもらってたみたいに彼の足の間に顔を埋める。
立ち上がってる色の薄い性器にぺた、と舌を這わせたら、上からひゃっと高い声が上がった。
んん、ちょっと、なんか、・・・苦い。もしかしてこの人、俺のをしゃぶりながら一回イったんじゃないだろうか。
眉を軽く顰めて、非難するみたいに顔を見る。
同じように、顰められた眉。潤んだ瞳は、すぐにとろりと蕩けて、口からは、あん、と気持ちの良さそうな声が上がる。
あん、じゃ、ないだろう、もう。
童貞っていうのもいまいちまだ信じられないけど、よくよく考えたら、この人が女性を抱くっていう方が考えられない。
彼と寝るようになってから覚えた、同じように口の中に唾液を溜めて、べたべたになってる彼の先走りの恥ずかしい液と絡めて、先端を啜る。
ぬぅ、と根本まで頑張って咥えて、頬を窄めて前後に動かして、セックスの真似事みたいに。
 
こちらが促す前に、スケベなアーサーは俺の髪を引っ掴んで、「あ、ぁ、」と鳴きながら腰を振る。
他の男の臨戦状態のこんな場所なんて拝んだ事は無いけど、決して彼のは世界基準から見ても細くも、短くもないとは思う。
まぁ、俺よりはアレだけど。自慢じゃないけど、俺は合うコンドームを見つけるのは結構大変なんだけど。
なので、結構、こうして頭を掴まれて腰を振られるのは、正直きつい。
きついけど、彼が気持ちよくなるのならば。愛って、つくづく偉大だな。
 
「アーサー。どう、気持ちいい?」
「アル、ァル」
「何?こっちだけじゃイヤ?」
「やっ・・・・」
 
足を更に割り広げて、膝の裏に左手を入れる。
右手中指をちゅぷ、と舐めて、唾液を絡めて、ぬぅっとゆっくりとひくひくした小さな穴に入れたら、彼は息を詰めて身体を強張らせた。
あー。気持ちよさそう。
ひくっと鳴る喉、ぎゅっと瞑られる瞳。意外に長い、金色の睫毛は、涙を乗せてぱさぱさ揺れる。
ぐちぐち後ろを解しながら、舌を使って性器を舐める。顔を上げて、彼の表情を確認しながら。
ひん、はぁ、はぁ、はっ・・・あぁ、あ。
さっきのように腰を振っていた動きは一変、内股がぶるぶる震えて、誘うような腰つきは、
軽くつま先でマットレスを押して、押し付けるみたいにゆらゆら揺れる。
所々、消えそうな声で呼ぶ、名前。これ、計算してやってたらほんとにスゴイ。
浅い所にある前立腺を軽く、くん、と押したら、アーサーは悲鳴を上げて背骨をびんっと仰け反らせた。
 
「っあ、アルッ、」
「あー、中、解れてきた。すごい、気持ち良さそう」
「ぁ、オレも、オレも、したい」
「うん」
 
くしゃ、俺の髪を撫でて舌ったらずな口調で言う恋人に頷いて、突っ込んでる指をずる、と引き抜く。
何処までもエロい彼の体は、どうやら抜いてるときの方が感じるらしく、ゆっくり引き抜いて
中指の爪が見える頃には、彼の前の性器は反り返るくらいに張り詰めていた。
すけべ。
伸び上がって、先ほど彼のをしゃぶっていた唇でキスをする。口を開けて、舌を絡めて。
あ。そういえば、アーサーも俺のを咥えてたっけ。いいや、でも。どうせ最後はぐちゃぐちゃになるし。
唇をくっつけたまま呼吸をして、お互いの性器をくっつけて擦りあったら、彼は気持ち良さそうに背筋を震わせた。
アル、好き。とろっと瞳と声を溶かして、アーサーはそのまま俺の足元に埋まる。
再度ぬるっと口の中に包まれる暖かさと気持ちよさに眉を顰めて、俺もそのまま、マットレスに身体を埋めた。
 
「お尻、こっち頂戴。アーサー」
「・・・ん、ん、」
「・・・っふ、ちょっと、舌がえろい」
「っぅん、は、ぁっ、あッ!」
 
シックスナイン。
一体、誰が考えたんだろう、このネーミング。言われてみれば確かに、と納得してしまうジョークみたいな体位。
痩せっぽちの身体を反転させて、上に乗せてから足を広げさせる。
白い尻はつるつるすべすべしてて、子供みたいだなといつも思う。
あまり肉は乗ってないくせに丸く形づいてる尻に軽く歯を立てて、さっきの続きみたいに中指を入り口につぷっと入れたら、
それだけで彼はびくりと内腿を震わせてくにゃっと身体の力を抜いた。
ちゃんと、俺のも舐めてくれよ。そう言いながらくちくち狭い入り口を弄って、舐めて、自分の性器を彼の口に擦り付ける。
柔らかい唇。は、ぁう、熱い息と舌が根本に絡み付いて、涙声で自分の名前を呼ばれた時には、結構、キた。
ローション、ローション・・・届かない。いいか、別に。
滑りが足りなくなって、絡める唾液の量を増やして、指に絡める。両親指を突っ込んで広げて、舌を入れてみたら案外柔らかく解れてて、驚いた。
 
まさか。この俺が、同性とセックスするようになるとはなぁ。同じ性を持つ相手に興奮して、組み敷いて、尻を舐めて、突っ込むようになるとは。
しかも、相手がこの人。昔は漠然としか考えていなかった現実は、予想してたものよりもだいぶ刺激的だけど。
指を3本に増やして、中でばらばらに動かして、前立腺をくりくり擦る。
遂に泣き出したアーサーは、「いい、すごい、アル、」と頭の悪いポルノの女性みたいに鼻を鳴らして、俺の反り返った性器を掴む。
ぎゅっと握られる力に、痛いよ、と文句を言って白いお尻に歯を立てたら、痛いのも結構好きなこの人は、
ぎゅぅぅっと中に入れてる指を搾って、高い声を出して泣いた。
 
「っあ、ル、アルッ、もっと、」
「痛いのがいいの?後で突っ込みながらスパンキングでもしてあげようか」
「やっだ、ぁあ!あ、ん」
「んー・・ちょっと、痛いって・・・ッ、ちょ、ッと!アーサー!!」
 
びくぅっ!
叫んで、自然に身体が跳ねた。
ちょっと、何するんだよ!思わず叫んで、起き上がろうともがいて、がっちり下半身をホールドされる。
第一、目の前にはアーサーの尻。
ヘイ!タイム、ストップ!!びくびくっと身体を震わせながら怒鳴ったら、アーサーはじゅるっと音を出して、再度俺のを根本まで咥えた。
 
同じように唾液でぬるぬるになった中指を、ちょっとだけ俺の尻の穴に突っ込みながら。
 
「ん、んむ、」
「っ、ふ、・・・ッ!ちょっ・・・!い、痛ッ」
 
ぐぐぐ、決して太くない、いつも俺の手に絡み付いてる細い指が、一本ゆっくりと入ってくる。
 
ウェイト、ストップ!ダーリン!
全身にぶわっと脂汗が出て、全神経がそこに集中、身体を起こそうとしても、目の前には恋人の尻。
立てない、ちょっと、怒鳴る前に更に指、恐らく中指がぐぅっと更に突っ込まれて、ヒッ、と嫌な声が出た。
うわ、ちょっと、本当に勘弁、気持ち悪っ、萎える、萎える!!
エロい彼にとっては第二の、もしかしたらそろそろ第一の性器に成り果ててる排泄器官は、出すところであって、決して何かを入れる部分ではない。
こ、こんな事で感じているのか、この人は。
自分たちのしている行為の愚かさ、ここで快感を感じている彼の偉大さと恐ろしさを改めて、ありありと痛烈に思い知る。
ゆっくりと、多少小刻みにくちくち動かしたりしながら確実に奥に進んでくる指に、アーサーに、俺は何のつもりだとじたばた空を蹴って、叫ぶ、怒鳴る。
足を上げた際に突っ込まれてる指の角度が変わって、すごい無意識に、ぅわっと色気の無いひっくり返った声が出た。
 
「ア、アーサー、アーサー!ちょっと、本気で、萎える!」
「ん、待ってろ、前立腺探す・・・っあ、アル、オレのも触って」
「結構だよ!ちょっと・・・っう、あ、ねぇ、アーサー!」
「んむ、んー・・」
「・・・・・・ッ!!」
 
ぞくんっと腰が重くなったのは、決して尻に突っ込まれてる指に反応したわけではない、原因は横目でこちらを見ながら
べろぉっと舌を出して俺のを舐め上げる、愛しい人のその顔だ。
瞳の縁を赤く染めて、小さい口で頑張って頬張って、細い指は、あろうことか俺の尻の中に。
目の前には、彼の白くて丸い尻。ジーザス、何て倒錯的な図だ。
ぐり、中で軽く指が折られて、小さく引っかかれる。クソ、このやり方。いつも、俺が君にしてる事だろう!
 
指の圧迫感と動かされる感覚に、少しずつではあるけど慣れてきている自分を認めたくなくて、ぎっと歯噛みしてから、
仕返しみたいに目の前の性器に歯を立てる。
同じように、ぐちぐち、言わせながら、慣れた狭い穴に指を3本、突っ込んで。
びくんびくん、跳ねる背中。お互いに大きく育った性器をしゃぶりあって、尻に指を突っ込んで。
さっさとイかせて、引き剥がして、突っ込んでやる。そう思って指を突き動かしたら、アーサーは「いやぁ」と女の子みたいに叫んで、
俺の性器に歯を立てて、更に指を奥まで突っ込んだ。
 
ちょっと、痛いんだけど!!!
 
は、っと自然に上がる声、ぎゅっと閉まる、尻の穴。中に彼の指が入ってるのがよけいにわかって、思考がスパークしそうになる。
やば、やばい、何これ、最悪。
世の中のゲイの女役ってのは、こんな屈辱に耐えているのか、しかもこの後、男の性器を突っ込まれて。
突っ込んでるゲイの男役ってのは間違いなく俺なんだけど、これからは少しだけその負担を考えてしまいそうだ。
気持ちい、アル、アル、もっと、ぼろぼろ泣きながら顔の上で腰を振る彼の気持ちが、全く全く理解できない、どうでもいいけど、早く指を抜いてくれ!!
いよいよ細い指が根元まで侵入したと分かった時、俺の羞恥と屈辱感と、認めたくない尻での快感の背徳度は、限界値に達した。
 
「ッ、もう、無理!限界!!バカアーサー、今日は覚悟してよ」
「っわ、えっ!?アル!」
「そんなにエロい事がしたいなら、新しいプレイでもしようじゃないか。童貞を捨てたいみたいだから、オモチャに頑張ってもらおうよ」
「へ、なっ、あ、アル、ちょっとッ!」
 
サイドテーブルから出すのは、以前に菊からぶんどった、大人のオモチャ。
ローションを入れて使用するタイプの、男性専用のオナホール。
アーサーの性器にゴムをひっかぶせて、ホールをセットして、スイッチを入れて。
ぅあ、と身体を跳ねさせるアーサーの身体を仰向けにひっくり返して足を上げて、間髪入れずに突っ込んでやった。
 
「ヒ、あ、あ、あ!やだっ、これやだ、やだ、やだ、アルぅッ!」
「なんで、前も後も好きだろ?後ろに俺の挿れて、前はオモチャに突っ込んで、随分贅沢じゃないか、アーサー!」
「っ、あ、やだぁ、やだ、やだ、あん、もっと・・・!」
 
ぼろぼろぼろっと涙を流して頭と腰を振るアーサーに、明らかに喜んでる彼の身体に、本気でこの人どうしてやろうと心の中で舌打ちする。
ああ、もう、お尻の穴が変な感じだ、バカアーサー!
やっぱり俺は女役はご遠慮するよ、君みたいに後ろに突っ込まれて、こんな風に乱れて君を満足させる事は出来なさそうだからね!
 
 
 
散らかった俺の狭い部屋に響くのは、うぃんうぃん鳴る卑猥なモーター音と、それ以上に卑猥な恋人の嬌声。
隣に声が聞こえるのももうどうでもいいやと思って、俺も思う存分声を上げて、その日は二人でだいぶハッスルした。