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俺の恋人はアブノーマルだ。 |
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変態的なセックスが大好きで、SMから野外プレイまで何でもアリ、その気になって口説き落とせば、 |
スワッピングだって首を縦に振るんじゃないだろうか。冗談じゃない、やらないけど。 |
どうしてこんなにおかしな性癖になってしまったんだか、それはもう俺にもさっぱりわからない。 |
彼という国家?だとしたら、一体どんな国なんだ、彼の家は。 |
少なからず彼と同じ血を持ってる俺も、もしかしたらそういった性質はあるのかもしれないけど。 |
今のところはそんな恋人に本気で引いてるだけだからまだまだきっと俺はノーマルだと思う。 |
いや、このとことん本能に忠実な恋人と愛し合ってる時点で、俺も十分おかしいのか? |
わからない。それでも、どんなに変態でもアブノーマルなプレイが好きでも時には本気で呆れてしまっても、愛しいのだから、仕方が無い。 |
今の所、特に不満は無いし・・・そのうち俺の性癖も彼に引き摺られてるうちに歪んでしまったらどうしようと思う瞬間はあるけれど。 |
まぁそれも、今後彼以外とセックスする予定はないし。 |
二人で楽しめてるのならば、別にいいかな。とは、思う。 |
そんな俺にも、自覚の無い、少しだけ変態っぽい性癖があると言う事に、今日は初めて気が付いた。 |
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自分の桃色の手形のついた、白い尻。 |
突っ込んだままの四つん這いのアーサーの身体、くっきり浮き上がる自分の手形。 |
無意識にごくんと喉が鳴って、気が付いたら、振り上げた右手を思いっきり彼の尻目掛けて振り下ろしてた。 |
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「痛った、ぁ、痛ぁっ!」 |
「あ、・・・っ、ちょっと、あんまり締めないで」 |
「だって、アッ、痛ぁ、あんまり、叩くなよバカァッ・・・!」 |
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ぱぁん!バックの状態で思い切り手を振り下ろせば、湿った白い尻と我ながら肉厚な掌がぶつかって、派手ででっかい音を立てる。 |
もともと白くて丸い尻、世界基準でも大きめの俺の性器を根本まできちんと飲み込んでぎちぎち言ってる入り口は、叩くと更にぎゅうぎゅう締まる。 |
中が、違う生き物みたいだ。 |
随意筋である括約筋、直腸は根本から先端まで絡み付いて、一体どういう仕組みになってるんだか、 |
身体の中までエロく出来上がってる恋人に、やらしい、と上がった息で言ってやれば、汗の浮いた背中が桃色に染まる。 |
高く手を振り上げて、薄い背中もパァンと叩く。 |
ヒッ、と反らされる背中、叩いた自分の手もびりびりして、背中にはでっかい手形がくっきりつく。 |
いいな、これ、新しいマーキングみたい。 |
痛い、ぃ、としくしく泣く恋人に軽く謝って、左手を前に廻して、今日ずっと触ってあげてなかった色の薄い性器をきゅっと掴む。 |
なんだ、泣くほど痛がってるから萎えてるかと思えば、まだ元気じゃないか。エロ大使。 |
そう言って先端をぎゅぅっと握ったら、アーサーは高い声を上げて突っ張っていた腕を折って、大きな枕にくちゃっと落ちた。 |
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「叩かれるの好きなの?ほら、してあげるから、自分で動いてよ」 |
「やっやだ、好きじゃない、痛、痛ァ!やめ、アル」 |
「動いて。アーサー」 |
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ぱちん、と両手で緩く叩いて、一度だけ、細い腰骨を掴んで奥まで一気に腰を入れる。 |
ひぁっ、上がる高い悲鳴、何かを期待してるような、甘い声。 |
動いてやらないぞ、そう言って、ぐりぐりと入り口で腰を廻したら、恋人は涙声で「もっと、」こちらを振り返って泣く。 |
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「動いてって、ばっ。タイミング合わせてあげるから」 |
「やっ、痛ァ! っん、く・・・ぁ、あ!」 |
「・・・やらしー」 |
「見るな、ぁ、あ、んん・・・!」 |
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ぶるぶる震える内腿、両手を踏ん張って、ずる、と狭い穴から性器を引き抜く恋人、上から見ると、 |
自分の性器が根本まで埋まってるのが丸見えで、随分と卑猥な光景だと思う。 |
奥が好き、と言ってる彼は、実はこうやってゆっくりと抜いてやる時が一番好きだ。 |
自分で自覚があるのかはわからないけど、普段とは違う高い声で、震えながら高く高く、長く鳴く。 |
震えて落ちそうになる腰、いつもはくちゃんと落ちないように手で掴んで支えてあげるけど、今日はしてあげない。 |
代わりに汗の浮いた、叩きすぎてピンク色になった尻を高い音を立てて引っ叩く。 |
痛ァッ! |
悲鳴を上げたと同時に、つ先端だけ入っていた性器がぬるっと抜けて、ちょっと、と文句を言ってもう一度背中を叩いたら、 |
恋人は泣きながらこちらを振り返って、ふるふると小さく首を振った。 |
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「や、だぁ、やだ、もうやだ、」 |
「自分で挿れて、見せて。ほら、いつまでたってもイけないぞ」 |
「っぅ、あ、 ・・・ん、はぁ、はっ・・・、あ、ぅー・・・!」 |
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泣きながら、俺の性器を後ろ手に取って、自ら後ろの穴にぴたりと添えて、ゆっくりゆっくり埋めていく愛しい人。 |
俺の形に馴染んだ後ろの性感帯は、それでも入れる瞬間ってのは何度やっても狭くて、そこを越えると全体がぬるりと絡み付いてくる。あったかい体。 |
はぁ、はぁっ、部屋に響く声は、彼のものと俺のもの、二人分。 |
ずぶずぶと飲み込まれる性器、食べられてるみたい。 |
発情期の猫みたいに高い声で喘ぎながら、再度根本まで俺のを飲み込んだ彼は、くっ、と突っ張っていた両腕に力を入れて、 |
その後、ゆっくりと挿出を開始した。 |
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「あ、ぁ、あっ、あっ、あ、ぁ、」 |
「気持ちいい?」 |
「っん、あ、あぁ、あ・・・」 |
はぁはぁ、んん、と息を飲んで上半身をゆっくり起こして、四つん這いの状態で、自分の身体を前後に揺する。 |
彼とのセックスでは、彼に主導権を取らせるのがイヤでいつも俺は頑張ってるんだけど気がつけばアーサーが泣きながら俺の上に乗って |
腰振っていう何とも屈辱的な事になるのが多くて、それでいつも結構悔しかったりしてるんだけど。 |
体力は負ける自信はない。だいたいこの人が底なしすぎるんだ。 |
もうだめ、限界。たたない、ムリ。 |
恐らく彼にとってはここからが本番なのに、そう言いたげな目をしてのっしと俺の上に圧し掛かって、あんあん言いながら腰を振り始める。 |
いつも、してる事じゃないか。そんな控え目に動かなくていいぞ。 |
ぱちん、と左側の尻を叩いてそう笑ったら、アーサーは「このカッコが恥かしい」、そう涙声で言って軽く後ろを振り返った。 |
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「だって、よく見えるから。俺のが出たり入ったり、さっき俺が出したの、ちょっと泡立ってるぞ」 |
「い、っぅな、ばかぁッ!あ、もう、動けよ、・・・ッ!」 |
「ヤだ、このままも一回いかせて」 |
「ッヒ、あ!いたぁ!やっぅ、あ、あっあぁ、やだぁ・・・!」 |
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懇願しても動かない俺に焦れて、湿った音を立てられてスパンキングされるシチュエイションに興奮して、 |
変態なこの人はぐちゅぐちゅと派手な水音を立てながら、繋がった腰をゆさゆさ揺する。 |
真っ赤に腫れた白い尻、俺も上がった息でパァンと叩けば、中に埋めてる性器が大きく膨らむのが分かる。 |
半開きの口のまま、シーツを掴んで腰を揺らすアーサー、何度も呼ばれるのは自分の名前。 |
ぱしん、ぱしん、彼が腰を揺らすのに合わせて尻を叩けばその度に締まる内部、はぁ、自分も息が上がっていくのを自覚しながら、 |
じれったい動きに眉を寄せる。 |
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参ったな、すごい興奮するじゃないか、これ。自分でも動きたいけど、何だろう、俺ってノーマルだとばかり思ってたけど |
実は少しSッ気があるんだろうか。否、きっとこの人がMすぎるんだ。 |
前を触れば薄い腹にひっつくくらいになってるし、先端から流れるとろとろした体液は、一度イってからずっとべたべただし。 |
少し前かがみになって今日一度も触ってあげてない乳首を軽く捻れば、細い体がばね仕掛けの人形みたいにびくんっと跳ねる。 |
中に埋めてる性器が千切られそう、軽く奥歯を噛んで、摘んでる乳首をぎゅぅっと捻って、耐え切れなくなって、思い切り腰を打ちつけた。 |
上がる高い悲鳴。ああもう、軽く舌打ちして、右手で細い腰を掴んで、奥を狙って、音が鳴るくらいに強く腰を叩きつける。 |
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ひぁ、あ、あ、あ!!アルッ、アル、ある、ぅ! |
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急激に始まる激しい挿出に、アーサーの身体、背中には一気に鳥肌、ぐしゃぐしゃになってるシーツを握り締めて、俺の名前を呼んで高く叫ぶ。 |
バックでのセックスってのは男同士には向いてるとは思うけど、顔が見えなくて余り好きじゃない、 |
でも、さっきまで思い切り叩いてた、真っ赤に腫れた尻が視界に入って、興奮する。 |
両手で思い切り腰骨を掴んで、左右に割り開いて、空気を入れるみたいに、わざとぐちゃぐちゃ、かき回して。 |
自分の性器が彼の中に出たり、入ったり。白く泡立つのは30分くらい前に出した自分の精液。 |
やばいな、俺も、ちょっと変態染みてるかも。 |
はぁはぁ、短くなる呼吸に一度ごくんと唾を飲んで、細い背中に覆いかぶさって、形のいい耳をがじりと齧る。 |
意識してたよりも力が入ってしまって、彼は悲鳴を上げて首を振って、がくがく揺さぶられながら何度も何度も俺の名前を呼んだ。 |
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「ッ、気持ち、いい?ねぇ、アーサー、教えて」 |
「ぃ、い、ァッ、きもち、いい、きもちいい、アル、あ、あっ、あぁ、あぁぁっ・・・!」 |
「俺も、ねぇ、中で出したらさっきのと混ざって溢れるかな、いい?出して、」 |
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いきそう、そう伝えれば、恋人はがくがく揺さぶられながら、泣きながらこくこくと頷いて、透明な膜を張った碧色の瞳をとろりと開ける。 |
アル、舌足らずな声で呼ばれる愛称、やば、と思って歯を食いしばって、アーサー、名前を呼んで、ぎりっと腰を強く握る。 |
もはや全然力の入ってない彼の足、腰だけを高く上げた状態で、俺が支えてないと絶対落ちる。 |
赤く腫れた尻をぎゅぅっと握って、痩せた身体を壊さんばかりに打ち付けて。 |
あ、ほんとに、いきそう、目を瞑って、右手を高く振り上げて、パァン!と彼の尻をひっぱたいたら、その瞬間に意識が真っ白になって、奥歯を噛んだ。 |
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「痛ぁ、あっ、あ!アル、アル、アル、いく、いく、あっ、ぁ、あ、あ、 ・・・----------ッ!!」 |
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一際高い悲鳴が上がったと同時に中が思い切り搾られて、手形のついた背中にぶわっと鳥肌が立って、汗が浮く。 |
中をえぐるように奥を突けば、その度にびくんっ!と跳ねる身体、手を前に廻しても、射精した時の様なシーツの汚れは無し。 |
後ろだけでイケた?はぁはぁ、上ずった声で聞いてやっても反応は無し、意識が飛んだのかと思って、 |
腰を掴んでゆさゆさ揺さぶったら再度火の点いた身体は簡単に掠れた声を出して喘ぎ出した。 |
アル、あ、きもちいい、アル、もっと |
ぼろぼろ流れる涙はピローの中に。腰を高く上げた状態のエロ大使は、真っ赤な尻を揺らして喘ぐ。 |
・・・・・・・あーあ、変なスイッチ押しちゃったぞ。きっとこっからがまた長い、やっぱり結局は上に乗って腰を振られてしまいそうだ。 |
ぜいぜい、こっちも射精後特有の全力疾走した後みたいな心臓を押さえながら、静かに息を整えて。 |
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ちょっと、復活するまで待っててね。ダーリン。 |
右手を振り上げて勢いよく腫れた尻を叩いたら、恋人はぴぎゃっ!と悲鳴を上げてくちゃりとシーツに崩れ落ちた。 |
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「痛い・・・い、ぃぃぃいいいい・・・!!」 |
「なんだい、情けないなぁ。血が出てるわけじゃなし、冷やしておけば引くだろ」 |
「お、前が、言うか、この、バカぁ!!」 |
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結局あの後何と第5ラウンドまで恋人との愛の営みは続き、始める前から予想はしてたけど、 |
お互いに意識を飛ばしたのはもう朝の光がさんさんと差し込む時間だった。 |
滅多に合えない恋人との心と身体の繋がりは大切だとは思うけど、会う度にこんなじゃ身体が持たない、ついでに、俺の精神も。 |
まさか、自分にスパンキングで興奮してしまう気質があったとは・・・ |
相手がアーサーじゃなかったら、絶対に危ないんじゃないか、こんな性癖。 |
君が俺よりも変態でよかったよ、そう、起きた途端に尻を押さえてシーツの中で丸まる恋人に軽くキス。 |
まだ熱を持ってる丸い尻は確かに少し腫れあがってて、毛布を捲って見てみれば、白い体にそこだけがいやに血色のいいピンク色で、 |
思わずテキサスをかけて、ぶはっと大きく噴出してしまった。 |
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「かっわいい、おサルさんみたいだ!あはは、はは!可愛いぞ、ほんとに」 |
「・・・何笑ってんだ、このバカ、バカ、バカアル、服、着れねぇじゃねーか、痛くて!」 |
「いいじゃないか、どうせ一日休みだろ?このまま裸で過ごそうよ、今日は優しく抱いてあげるから」 |
「なっ、な何言ってんだ、ばぁか、起きるぞ、もう」 |
「あれ?朝寝しないの?しようよ、ハニー」 |
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によっと笑ってテキサスを外して、起き上がろうとしてた上半身に軽く腕を絡ませる。 |
途端に、ピンク色に腫れたお尻と同じくらいにぽぽぽっと顔を赤らめる恋人、口にする言葉は予想通り。 |
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「・・・・・・・・・・・・・お、お前がしたいって言うなら、仕方ないから、してもいいけど・・・」 |
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ははは、ほら。君と二人っきりじゃなければ「別にそれならいいよ」と笑って返す所だけど。 |
二人きりの時限定、俺は恋人には優しいんだぞ。君が望むような言葉で愛してあげる。 |
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「じゃぁ、俺がしたいから、仕方なしに付き合ってよ。愛してるよ、ダーリン」 |
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そう言って痩せっぽちな腕を引いてシーツの中に引っ張り込んだら、アーサーは「仕方ねぇな」と笑って、目を瞑って、俺の首に手を廻した。 |
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